インフルエンサー活用×UGC戦略でSNS集客を伸ばす実践ガイド

インフルエンサー活用とUGC戦略を組み合わせると、SNS集客の成果を段階的に高められます。本記事の要点は次のとおりです。

  • インフルエンサー活用は認知の初速を作り、UGC戦略は購買後のクチコミ循環を生み出します。
  • SNS検索や購買後シェアの広がりを踏まえ、ファネル全体を設計することが集客の鍵になります。
  • 目的とKGI/KPIを分けて設定し、UGCが生まれやすいキャンペーン設計を行います。
  • 景品表示法のステマ規制に沿い、広告表示を明瞭にすることが前提条件になります。



インフルエンサー活用とUGC戦略の基礎


インフルエンサー活用の定義と役割

インフルエンサー活用は、発信力を持つ個人と協働して生活者の意識と行動に働きかける取り組みです。

広告主が企画・制作・表示を担う事業者と協力しながら費用を投じ、有形無形の要素からメッセージを組み立て、メディア上で生活者に届けることを目指します(参照*1)。

インフルエンサー活用は「発信の担い手」を外部の個人に広げる方法であり、企業単独では届きにくい層への到達を補う役割を持ちます。SNS集客の文脈では、認知だけでなく購買行動の起点になる情報源としても機能します。


UGCの定義とSNS集客での価値

UGCは、生活者自身がSNSやレビューサイトで発信するクチコミ型のコンテンツを指します。

クチコミマーケティングのガイドラインでは、オンライン・オフラインを問わず消費者間のコミュニケーションをマーケティングに活用する取り組みと位置づけたうえで、適用範囲を「消費者がオンラインで発信し、消費者がオンラインで受信するクチコミ」と定義しています。対象にはブログやソーシャルメディアだけでなく、掲示板サイト、ECサイト、アプリストアなど、投票やコメントが可能なメディアも含まれます(参照*2)。

SNS集客の観点では、UGCは第三者視点の情報として受信者に届くため、企業発信とは異なる納得感を生み出します。投稿の場が広く定義されていることは、集客導線を組み立てるうえで、どのメディアの投稿を拾い上げるかを選ぶ余地が広いことを意味します。


両者を掛け合わせる意義

インフルエンサー活用とUGC戦略は、SNS検索の広がりのなかで補完関係を持ちます。

若年層を中心に、Googleなどの検索エンジンではなく、InstagramやX(旧Twitter)でよりリアルで信頼性の高い情報を能動的に探す「SNS検索」が定着し、企業にとってSNSは単なる宣伝の場ではなく、顧客に発見されるための検索プラットフォームになっています(参照*3)。

SNS検索で発見される情報には、インフルエンサーの投稿と一般利用者のUGCの双方が並びます。そのため、影響力のある発信者に初速を担わせ、その体験を模倣したUGCを積み上げる設計にすると、検索結果上の露出量と信頼感を同時に押し上げられます。掛け合わせは、一過性の話題づくりを継続的な発見機会へ転換する意義を持ちます。



SNS集客市場の背景と生活者行動の変化


SNS利用時間とインターネット広告市場の拡大

SNSを含むインターネット広告の市場は、10年単位で大きく拡大してきました。

消費者庁によると、インターネット広告費は2011年に8062億円だったのが、2021年には2兆7052億円となり、約335%の増加しています(参照*4)。一方で、SNSが関係する消費生活相談件数を年齢層別にみると幅広い年齢層から寄せられており、2023年は8万404件と過去最多になっています(参照*5)。

広告市場の拡大は、SNS集客に投じられる予算と接点が増えていることを示します。同時に相談件数の増加は、発信内容と表示方法の適切さが問われる場面が広がっていることを意味し、施策設計時にはリスク面の確認が欠かせません。


SNS検索・購買後シェアの購買行動

生活者はSNSで情報を探し、購入後も体験を共有する行動を取っています。

海外調査を紹介した記事によれば、韓国での旅行情報源はNAVER検索とInstagramが同率1位で65.5%、YouTubeが63.9%、Googleが59.7%、TikTokが11.8%、Facebookが6.7%と示されています。さらに購買後行動として、購入品を70%が誰かに共有し、クチコミが次の旅行者を誘発する循環構造があります(参照*6)。

購買前の情報探索から購買後の共有までがSNS上でつながっている状況では、インフルエンサー活用による発見と、購買者自身のUGCによる再拡散が、同じ導線の中で連続します。集客設計は、購入までを終点にせず、購入後の投稿を次の来訪者に届ける循環まで含めて考える必要があります。



インフルエンサー×UGC連動の全体像と仕組み


認知から購買までのファネル設計

ファネル設計では、認知・関心・比較・購買・共有の各段階に、インフルエンサーとUGCの役割を分けて配置します。

ある小売支援の事例紹介では、チャネルごとに「誰に・何を・どう届けるか」を整理し、SNS設計と発信体制を再構築した結果、SNS接点の継続性が高まり、フォロワーが3か月で300%増加し、従業員投稿の動画は10万再生を超え、動画保存数も210%上がったと報告しています。さらに、店舗集客とオンラインを往復する集客導線が機能し、集客効果の底上げにつながっています(参照*7)。

この事例から読み取れるのは、単発の投稿ではなく発信体制そのものを設計することで、認知から店舗訪問までの往復動線が形成される点です。インフルエンサーで初期の到達を作り、従業員やユーザーの投稿で継続的な露出を維持する分担が、ファネル全体を動かす仕組みになります。


UGC創出を促すインフルエンサー起用の型

UGCが生まれやすい起用の型は、体験を言語化しやすい題材と導線の両方を用意するやり方です。

香水・フレグランス領域のSNSメディアの事例紹介では、Instagram、TikTok、X、YouTubeを通じて香水や香りのあるライフスタイルに関心の高い利用者へ情報発信を行い、SNS総フォロワー25万人超を持つ国内最大級のメディアとして機能していると説明しています。さらに、SNSでの認知拡大にとどまらず、香りの魅力を言語化し、実際の体験や店頭・ECへの導線設計まで一気通貫で支援できる点を特徴として挙げています(参照*8)。

この型では、インフルエンサーが体験を言葉に置き換える見本を示すため、後続の一般利用者が同じ切り口で投稿しやすくなります。結果としてUGCが積み上がり、SNS検索での発見機会が増えることに加え、店頭やECへの導線が明確化されます。



SNS集客を伸ばす実践ステップ


目的とKGI/KPIの設定

目的の設定は、最終成果を示すKGIと、途中の管理指標であるKPIを分けることから始めます。

KGIとKPIの関係を整理した解説では、両者を混同しないことが重要であり、たとえばKGIが「月間100件の新規顧客獲得」なら、KPIはCPA5,000円以下やCVR2%以上のように、KGI達成のために管理すべき指標を設定しています(参照*9)。

SNS集客では、フォロワー数やインプレッションといった表面的な数値と、購買や来店といった最終成果を切り分けることが求められます。KGIから逆算してKPIを設計すると、施策のどの段階で改善が必要かを判断しやすくなります。


ペルソナ設計とプラットフォーム選定

ペルソナ設計は、施策の方向性を具体化する土台になります。

SNSマーケティングの解説記事では、漠然と「20代女性」のような曖昧なターゲット設定では誰の心にも響かない当たり障りのないコンテンツしか生まれないとしたうえで、そこで重要になるのがペルソナの設計であり、ペルソナとは自社の理想的な顧客を代表する架空の人物像だと説明しています(参照*3)。

ペルソナが定まると、利用時間帯や情報探索の癖に合わせて、Instagram、TikTok、YouTubeなどの選定基準が明確になります。プラットフォームの選び方が定まれば、起用するインフルエンサーの発信領域も絞り込めます。


UGC誘発型キャンペーンの設計

UGCを誘発するキャンペーンは、参加のしやすさと運営体制の両輪で成り立ちます。

あるSNS運用支援サービスは、新規フォロワー獲得のためのキャンペーン企画などを実施し、当選者への連絡など事務局業務を代行する会社があると整理しています。あわせて、インフルエンサーを起用し、ブランドの認知度拡大や商品・サービスの宣伝、新規フォロワーの獲得を行っています(参照*10)。

キャンペーンでは、応募条件や投稿フォーマットの設計に加え、当選連絡などの運営を安定させる体制が求められます。インフルエンサーの起用を前段に置くと、参加への呼び水が働き、UGC投稿の量を積み上げやすくなります。


効果測定と改善サイクル

効果測定は、施策の投下と成果を数値で結びつける工程です。

インフルエンサーマーケティングの効果測定を、インフルエンサーが発信するコンテンツがターゲット層にどの程度リーチし、どの程度行動喚起(クリック、購買、フォロー、問い合わせなど)につながったかを数値で把握するプロセスとなります。さらに、ROI(投資対効果)の把握について、いくら投資していくらの成果が得られたかを整理でき、予算配分の意思決定が正確になります(参照*11)。

数値化された結果は、次の施策の起用者選びや投稿フォーマットの調整に反映できます。改善サイクルを回し続けることが、SNS集客の再現性を高める土台になります。



ステマ規制と法令遵守の必須ポイント


景品表示法におけるステマ規制の要件

ステマ規制の適用範囲は、規制対象と対象外を切り分けることから理解します。

消費者庁は、ステルスマーケティング告示の規制対象について、景品表示法における他の不当表示規制と同様に、自己の供給する商品又は役務の取引に関する表示について、その内容の決定に関与した事業者、いわゆる広告主としました。したがって、広告主から広告・宣伝の依頼を受けて表示、たとえばSNSへの投稿を行うインフルエンサーやアフィリエイターは規制の対象外になります(参照*12)。また、内閣府の資料は、現役インフルエンサー300名へのアンケート調査で、41%のインフルエンサーが広告主からステルスマーケティングを依頼された経験があること、そのうち約45%が依頼を全部または一部受けたとまとめました(参照*13)。

規制の対象は広告主に置かれているため、企業側が表示の内容決定に関与している場合は、投稿を委託した事実を明らかにする責任を負います。依頼経験の存在は、社内の運用ルールを明文化する必要性を示しています。


広告表示の明瞭化とプラットフォーム機能の活用

広告表示の明瞭化には、各プラットフォームが用意する開示機能を用います。

TikTokのブランドコンテンツポリシーは、ブランドコンテンツを投稿する際に商用コンテンツ公開トグルを有効にする必要があると定めています。このトグルはコンテンツ投稿時にコンテンツ開示設定からアクセスでき、有効にしてコンテンツが第三者に代わって投稿されたものであることを表明すると、コンテンツには自動的にブランドコンテンツであることを示すラベルが付けられます(参照*14)。YouTubeのヘルプでは、有料プロモーションについて、動画に有料プロモーションが含まれていることを視聴者やYouTubeに知らせる仕組みだと説明し、改変されたコンテンツについては、YouTubeのポリシーに基づき、コンテンツが現実の映像のように改変または合成されているかを報告する必要があります(参照*15)。

これらの機能は、投稿ごとに広告である事実を可視化する手段になります。運用ルールに開示機能の使用を組み込むと、後から個別に判断する負担を減らせます。


UGC・レビュー転載時の落とし穴

UGCやレビューの転載は、依頼関係の明示が不足すると規制に触れる場合があります。

たとえば、RIZAP株式会社は、対価を提供することを条件にInstagramへの投稿を依頼し、第三者が投稿した表示を自社の広告に転載・利用しました。問題となったのは、「お客様の声」として無人ジム「chocoZAP」の広告に転載する際に、自社が依頼した投稿であることを明らかにしなかった点です(参照*16)。

投稿自体は第三者名義でも、依頼関係を伏せて自社媒体に転載する点が問題視されています。UGCを二次利用する際は、依頼や対価の有無を含めた開示方針を先に定めておくことが求められます。



成功事例とKPIで見る成果


フォロワー・売上を伸ばした国内事例

国内の事例では、キャンペーン設計と発信体制の見直しが数値の伸びにつながっています。

効果測定の解説記事は、食品メーカーのプレゼントキャンペーンで、施策前後でフォロワーが約190%増加し、同時にプロモーションコード経由の購買が862件を記録し、ROASが550%を達成したと示しました。また、地方観光地への来訪促進を目的とした施策では、インプレッションが1,304,442、リーチが441,752、リンククリックが47,490、クリック率(CTR)が3.64%、平均クリック単価(CPC)が18円だったと整理しました(参照*11)。別の支援事例では、商品の使い方やスタッフ紹介といったショート動画中心のビジュアル配信へ転換し、利用者の関心をつなぎとめ、顧客体験としての満足度を高めることで売上が3か月で160%になり、店舗集客とオンラインの連動を生む接点設計が購買率向上に寄与しました(参照*7)。

数値の内訳を追うと、フォロワー増、購買件数、ROAS、CTR、CPCなど、指標が段階ごとに設計されている点が共通します。KPIを層ごとに置くと、どの工程が成果に貢献したかを可視化できます。


UGC循環による観光・インバウンド集客

観光・インバウンドの領域では、UGCが公式の発信と循環することで来訪と売上を伸ばした事例があります。

福岡市の商業施設の事例では、2024年10月に韓国女性インフルエンサー3名(合計フォロワー120万人)を招待し、館内の和菓子作り体験とファッション撮影会を開催しました。Instagram総リーチ320万、ハッシュタグ投稿4,800件、来店韓国人客数がキャンペーン前月比プラス42%、免税売上が前年比プラス51%となりました(参照*6)。

UGCを公式が拾い上げる運用は、投稿者に応答する体験を提供し、追加の投稿を生みます。旅マエ・旅ナカ・旅アトの各局面を接点でつなぐと、SNS集客が来訪と購買の両面に反映されます。



おわりに


インフルエンサー活用は認知の初速を作り、UGC戦略はそれを循環に変える役割を担います。SNS検索と購買後シェアが日常化した環境では、両者を同じ導線の中で設計することが、SNS集客の成果を安定させる条件になります。

施策の設計にあたっては、KGIとKPIの分離、ペルソナに沿ったプラットフォーム選定、そしてステマ規制に沿った表示の明瞭化を前提として組み込む必要があります。数値で確かめながら改善を重ねる姿勢が、継続的な集客の土台を作ります。



▼参照

(*1) 公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会 – アドバタイザーによる「広告の定義」策定|ガイドライン・資料|公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会
(*2) 一般社団法人クチコミマーケティング協会 | 一般社団法人クチコミマーケティング協会(WOMJ)の公式サイトです – 一般社団法人クチコミマーケティング協会
(*3) Web広告ドットコム | 95年の広告ノウハウ Web広告ドットコム – 専門知識ゼロから始めるSNSマーケティング|最短で成果を出す方法
(*4) ステルスマーケティングに関する検討会 報告書
(*5) 令和5年度 消費者政策の実施の状況 令和5年度 消費者事故等に関する情報の集約 及び分析の取りまとめ結果の報告
(*6) 韓国マーケティングの専門メディアInFluK(インフラック) – SNSを味方につける!韓国人観光客の行動を変える旅体験マーケティング戦略
(*7) 株式会社フォチューナ Web広告とソーシャルマーケティング支援 – 事例 買った後も続く体験が、次の購入を生んだ。売上160%増につながった購入前後のSNS・LINE設計の事例
(*8) Amulette株式会社 | D2C・香水・ライフスタイル領域のDX&SNSマーケティング支援 – 全国チェーンへ初導入。オープン初週で約500回の体験、うち8割超が10〜20代
(*9) 初期費用0円・月額費用のみでタレント起用|アクセルジャパン – X広告(旧Twitter広告)の費用対効果は高い?相場・指標・改善方法まで解説
(*10) アスピック|SaaS比較サイト – SNS運用代行会社おすすめ18選! 各社の比較ポイント紹介
(*11) 株式会社Ceeev – インフルエンサーマーケティングの効果測定|7つのKPIと計測方法【2026年版】
(*12) ステルスマーケティングに関するQ&A
(*13) ステルスマーケティングに関する検討会 報告書 (概要)
(*14) ブランドコンテンツポリシー | TikTok
(*15) 動画の設定を編集する
(*16) ステルスマーケティング規制に関する 危機管理



展示会に関する情報

ホスピタリティテック EXPO
主催: RX Japan 合同会社
最新情報は、WEBをご確認ください。
https://www.hospitality-show.jp/tokyo/ja-jp.html


▼この記事をSNSでシェアする